鳥追い祭り

鳥追い祭りとは?

 毎年1月14日は中之条町の誇る「鳥追いまつり」の日です。豊年を祈り、害虫・害鳥駆除を願って、直径1.5bもの大太鼓をたたきながら大通りを練り歩きます。各町内の拠点では、厄除けのミカンが投げられます。
 昭和30年頃までは、太鼓の運行とともに、通りの両脇の店々の二階や屋根から、これでもかこれでもかとばかりにカンが大量にまかれ、その厄除けのミカンを1つでも多く拾おうと、子供も大人も本気で、怖さを覚えるほどの活気がありました。しかし、このミカンに群がる異様な熱気で、怪我人がでたり、喧嘩があったりということで、いつしか規制され、今では、決められた時間に決められた場所での、礼儀正しいミカン投げとなってしまいました。
 となると、なにせ真冬の祭りですから、若い衆も見物人もただ寒く、また、大きい太鼓を何のリズムもなく単調にたたくだけで、見栄えがあまりありません(本当はこれがよいのですが)ので、昔と比べて淋しい感を覚えるという人もいます。 
伝統を守る
 伝統的な祭りも、参加する人が減ったりして、盛り上がりに欠ける現象が全国的な傾向になってきているそうです。これも時代のすう勢でしょう。しかし、その時代のすう勢を、あきらめてばかりではいけません。なにせ、鳥追い祭りは、、慶長年間から行われているといわれ、全国的にも珍しい祭りです。全町内の太鼓を一斉にそろえて打ちながら、「追いもうせ、唐土の鳥を追いもうせ」という掛け声を復活させたり、絵馬やテレカを作ったりの工夫も行うようになりました。
 鳥追い祭りは、ミカンに群がる非日常的な行動が、祭りの真価で面白さです。その面白さが伝統なのですが、いつしか太鼓をたたくこと、ミカンを投げること、その形や歴史が伝統だと言われるようになり、面白さに対するしがらみとなっています。
 非日常の面白さは時代とともに変化していきます。変化する時代の中で伝統を守るという意味や難しさと対面しながら、それでもがんばっている町の若い衆。連携の輪が広がっていくことを祈っています。

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