伊参スタジオ

 旧分校から映画が!「伊参」=「いさま」と読みます

 きっかけは群馬県の人口200万人突破でした。この記念映画を群馬県が作ることになり、撮影スタジオとして、使われなくなった中学校旧伊参教場を利用しました。校舎は主に撮影スタッフの宿泊施設に、体育館は撮影セットに。こうして制作されたのが、小栗康平監督「眠る男」でした。
 この映画は中之条町を皮切りに、県内各地でロードショー、そして岩波ホールでの異例のロングラン・・・。後は数々の国際舞台での受賞や賞賛の声がこの映画に寄せられました。映画を製作した群馬県はもちろん、中之条町にとっても、これは大きな意味を持ちました。
映画スタジオとして
 中之条町では、この映画の成功をきっかけに、スタジオを記念公開することになりました。そして、「眠る男」がきっかけで、映画関係者にも伊参スタジオの存在が知れ、この記念映画撮影後も、撮影に利用されています。
 特に、山崎まさよしのデビュー映画「月とキャベツ」は、山崎まさよしの歌手としての人気急上昇とともに、撮影現場を町外から見学に来る若い女性ファンも多く、地元でも驚く現象となっています。平成11年秋には山崎まさよしライブが伊参スタジオで実現しました。
宿泊もできます
 また、伊参スタジオは廃校の施設利用ですから老朽化が目立っていました。そこで、公園化し、現在は宿泊もできるようになりました。1人2,000円で利用人員は 30名程度です。団体単位での貸し切りの形態となっています。申し込みは、中之条町役場企画課、電話は0279−75−2111 です。
伊参スタジオの意義
 きっかけは、町の人口減によって廃校となった施設が、県の人口増の記念映画の撮影スタジオに利用されるという皮肉な現象だったかもしれません。しかし、映画も、様々な娯楽やメディアが登場する中で、産業としては「斜陽」の2文字がついてしまいます。でも、映画の持つ表現力は無限で、映画だけしか手段を持たない独自性があります。
 その存在理由から、中之条町と映画の結びつきは、共通項を見出すことができると思います。今後も、この田舎町の映画スタジオから、数々の名作が世界に向けて巣立っていく…、そんな夢の実現を望んでいます。撮影現場に携わる映画関係者の、好きなことを一生懸命にやる姿が、失われかけた町の活力の呼び水となれば、そんな期待もしてしまいます。

詳細情報は関連リンクで 眠る男 月とキャベツ

群馬県吾妻郡の地域情報は キララ★あがつま をご覧ください