あがつま語★辞書 【た〜と】

【た】
たあくら=「たあこと」と同じ  ・「あんまし たあくら言っちゃあなんねえ」
たあこと[変]=戯言(たわごと)=たわけたこと
〜だい=〜ですか? ・「これ いくらだい」
〜たい=〜たのです ・「勝ったい」「負けたい」
だきっつく[強]=抱きつく ・「樽入れが終いるまで 娘に だきっついちゃあなんねえ」
たくしあげる[多]=服の袖や裾を引き上げる ・「袖を たくしあげて 顔を洗う」
だけえど[変]=だけど=だけれども ・「だけえど 俺は おめえと結婚してえ」
たける[多]=汚いものをつける ・「そんな物 人に たけるなやあ」
ただっぱたらき[変]=只働(ただばたらき)=無報酬で働くこと、無駄に働くこと
だだっぴれえ[変]=だだ広(びろ)い=とても広い ・「だだっぴれえ家に一人で住んでる」
たち[多]=質=性格や体質 ・「損な たちしてる」
たちっぱなし[変]=立ち放し=立ち詰め=立ったまま
たっしゃ[多]=達者=健康、丈夫 ・「達者でいてくんな」
たっぱ[多]=立端=高さ、身長 ・「たっぱの高い 建物が建った」
たてっけえし[変]=立てかえし=お風呂の沸かしなおし ・「めんどくせえから たてっけえしにすべえ」
〜だと[多]=〜だったんですよ ・語尾につけて相手に強調して伝える「勝ったんだと」「負けたんだと」
たばこすい[多]=煙草吸い=タバコを吸う人 ・「近頃は めっきり たばこすいが少なくなった」
たまあに[変]=偶(たま)に ・「たまあには 遊びに来いや」
だまくらかす[多]=騙くらかす=だます
たまげる[多]=魂消る=驚く
たまと[変]=トマト ・トマトは「赤ナス」とも言う。
たまな[多]=玉菜=キャベツ
ためる[多]=撓める=ねらいを定める ・「ためてっから 投げてみろ」
たるいれ[多]=樽入=結納の際に樽酒を贈ることから婚約成立の意
たんがまあし[変]=箍回(たがまわ)し=樽などを締めるための輪を回す子供の遊び
だんだんつ[略]=段々ずつ=少しずつ繰り返して ・「だんだんつ うまくなる」
〜だんべえ=でしょう ・「そうだんべえ」
たんと[多]=たくさん
たんび[多]=度=その時いつも ・「たんびたんび許すつう訳にゃあ いかねえ」「帰って来るたんびに金をせびる馬鹿息子」
たんま[多]=待(ま)った=遊びを一時中断する際に使う ・「まった」→「たっま」→「たんま」

【ち】
ちいっとばっかし[変]=些(ちっ)とばかり=すこしばかり、わずか ・ちっとばかり→ちいっとばっかし
ちがしんだ[多]=血が死んだ=指を挟んだりして内出血した、血豆ができた
ちげえねえ[変]=違(ちが)いない
ちだらまっか[略]=血だらけ真っ赤 ・「テレビで ちだらまっかになってた」
ちぢっこまる[多]=縮こまる=小さくなる ・「あんまし寒いんで 家で ちぢっこまってた」
ちっか=じゃんけん
ちったあ[変]=些(ちっ)とは=少しは ・ちっとは→ちったあ「ちったあ 利巧になった」
ちっとんべえ[変]=「ちいっとばっかし」と同じ
〜ちまう[変]=〜しまう ・「ちもう」とも言う 「捨てちまう」「食っちまう」「焼いちまう」
〜ちもう[変]=「〜ちまう」と同じ
〜ちゃう[多]=「〜ちまう」と同じ ・「ゆっちゃった(言ってしまった)」「喰っちゃう」
〜ちゃった[多]=「〜ちゃう」の過去形=〜してしまった ・「言っちゃった」「喰っちゃった」「落っちゃった」
ちゃっぽ[変]=シャッポ=帽子 ・「部屋ん中じゃあ ちゃっぽ 取るもんだ」
ちゃぶでえ[変]=卓袱台(ちゃぶだい)=足の短い食卓台
ちゃんちゃん[略]=ちゃんちゃんこ=袖なしの綿入り羽織
ちゃんと[多]=きちんと、うまい具合に
〜ちゅう[変]=〜と言う ・「さすがの意地張りも泣いたっちゅう」
ちゅうっくれえ[変]=中位(ちゅうくらい)=どちらにも偏らない中間の程度
ちょいちょい[多]=度々、しばしば
ちょいと[多]=ちょっと ・「ちょいと つまんだ」
ちょいのま[略]=ちょいとの間(ま)=わずかな時間
ちょうしづく[多]=調子付く=得意になって浮つく ・「うまくいったからって あんまし ちょうしづくな」
ちょうしっぱずれ[多]=調子っ外れ=音痴
ちょうずば[多]=手水場=便所
ちょくちょく[多]=「ちょいちょい」と同じ
ちょっくら[多]=わずかな時間 ・「ちょっくら 買い物に行って来る」
ちょれえ[変]=ちょろい=手ぬるいこと、取るに足らないこと
ちょんぼ=丸く束ねたうどん玉を数える単位 ・「もう ひとちょんぼか ふたちょんぼぐれえなら食える」
ちんけ[多]=小さくて弱々しい、取るに足らない

【つ】
〜つあ=〜とさ、〜だってさ= ・「花子は あんたのことを好きだっつあ」
ついさっき[変]=つい先(さき)ほど=ほんのちょっと前
〜つう[変]=〜て言う ・「うんめえつう食い物は みんな食ってみた」
〜つえば[変]=〜て言えば ・「素直に 御免なさいつえば 勘弁してやる」
つかめる[略]=捕(つか)まえる ・つかまえる→つかめる ・「敵を つかめた」
つぎあて[多]=継当=服につぎを当てること
つくしんぼ[多]=土筆ん坊
つくすまる[変]=竭(つく)す=熱を上げて入れ込む、入り込んでしまう ・「パチンコ屋に つくすまったまんま 出てこねえ」
つぐひ[多]=次ぐ日=次の日、あくる日 ・翌朝は「つぐあさ」と言う。
つげ[多]=告=知らせること、連絡 ・「葬式の時間を つげで頼まい」
つっ〜[多]=突っ〜 ・続く言葉を強調する「つっころがる、つっつく、つっささる、つっけえす、つっとおす」
〜つっきゃあ=「〜つっけえ」に同じ
〜つっけえ[変]=〜だと言うことらしいですね ・「そうだっつっけえ」
つっけえる[変]=突っ支える(つっかえる)=つかえる=先がふさがって進めなくなる
つっけんどん[多]=突っ慳貪=刺々しい言動  ・「つっけんどお」と変化させて使っている人もいる
つっこくる=強く突く
つっとさる[変]=突っと刺さる=突き刺さる
つとめにん[多]=勤め人=サラリーマン
つのんぎょう[変]=角形(つのぎょう)=角のように尖ったところ
つばき[多]=唾=唾液
つぶす[多]=潰す=家畜を食べる目的で殺す ・「ウサギを つぶして食うべえ」
つぶる[多]=瞑る=目をつむること
つべてえ[変]=冷(つめ)たい ・「ちべてえ」と言う人もいる。
つぼめる[多]=窄める=狭く縮める ・「すぼめる」も同じ。・「口を つぼめる」
つぼやま=坪山=植木などのある中庭
つまる[変]=積もる=積み上げられる ・「薪が積まる」
〜つやあ[変]=〜と言えば ・「〜つえば」と同じ。
つら[多]=面=顔 ・「やつは つらの皮が厚い」
つるっつぁる[変]=吊(つ)るさる=ぶらさがる
つるばる[変]=連(つる)ぶ=手に手をとって連なる
つるべる[変]=連(つら)ねる=並べてつなぐ ・「干し柿を つるべる」
つるむ[多]=連む=行動を共にする、仲間になる
つれ[多]=連れ=一緒に行動する人 ・「一人じゃ寂しいから つれに頼まい」
〜づれえ[変]=〜辛(づら)い=動作が困難 ・「読みづれえ本だ」「書きづれえ鉛筆だ」
〜つわい[変]=〜って言っている ・「いやだ つわい」
つん〜[変]=突き〜の変化 ・続く言葉を強調する「つんのめる、つんぬける、つんだす」
つんざく[多]=擘く=強く破る ・「耳を つんざく爆音」

【て】
てえ=人たち ・「町場のてえは贅沢だ」
てえ××[変]=たい×× ・「てえへん(大変)、てえした(大した)こと」
〜てえ[変]=〜たい ・「いぎてえ(行きたい)、みてえ(見たい)、ありがてえ(有り難い)」
でえ××[変]=だい○○ ・「でえじん(大尽)」「でえどこ(台所)」「でえじ(大事)」「でえ(大)好き」
てえげえ[変]=大概(たいがい) ・「てえげえのことには驚かねえ」
でえこ[変]=大根(だいこん)
てえら[変]=平(たい)ら ・おつくべ(正座)を解いてくださいの意もある。「あしい(足を)伸ばして てえらにしてくんない(平らにしてください)」
でえろん=かたつむり
でがある[多]=出がある=多くの時間や労力を要す分量がある
できもしねえくせに[変]=できもしないくせに ・「自分じゃあ できもしねえくせに 口出すな」
てこ[多]=手子=助手
〜でせえ[変]=〜でさえ、〜ですら ・「小学生でせえ解ける簡単な問題だ」
でっくわす[強]=出会(でくわ)す=出会う、遭遇する ・「山で熊と でっくわした」
てっぽうぶち[多]=鉄砲打=猟師
ててかかどん=太々神楽の擬音語
てばたき[多]=手拍=得も損も無し ・「商いが てばたきで 終わりゃあ てえしたもんだ」
てむすび[多]=手結び=結納、婚約、樽入れ
てめえ[多]=手前=おまえ、あなた ・同格か目下の相手に威嚇的に使う。「てめえが悪い」
てんぐさん[多]=天狗さん ・「泣いてばっかいると てんぐさんに どっか連れてかれるぞ」
でんぐりげえし[変]=でんぐり返し=手をついて体を一回転させること、形勢が逆転すること
てんぐるま=肩車
てんこもり[変]=天こつ盛り(てんこつもり)=山盛り、頂上(てんこつ)のように高く盛り上げること
てんで[多]=まったく、非常に ・否定、肯定どちらでも使う。「今度の映画は てんで面白くねえ」「あいつは てんで野球がうめえ」
てんでん[多]=それぞれ、めいめい、一人ひとり ・「てんでんに持って行けや」

【と】
〜と[略]=〜ということです ・「留守に泥棒に入られたと」
どうしょもねえ[変]=どうしようもない=お手上げの状態 ・「どうしょもねえ野郎だ」
どうけやろう[多]=道化野郎=ふざけた者を軽蔑して言う
どうすべえ[変]=どうしましょう ・「とんでもねえ事しっちまった どうすべえ」
どうづく[多]=どう突く=激しく突く、叩く ・「親にさからったら どうづかれた」
とええ[変]=遠(とお)い
とおなす[多]=唐茄子(とうなす)=かぼちゃ
とおみぎ[変]=唐黍(とうきび)=とうもろこし ・「とおっきび」と言う人もいる。
〜とく[変]=〜ておく ・「ほっとかれた(放っておかれた)」「投げとく」
どく[多]=退く ・「そこを どかっしゃい」「荷物を どける」
どけえ[変]=何処(どこ)へ ・「どけえ 嫁御に行っても 娘は娘だ」
とこば[多]=床場=理髪店 ・「♪いいとこ とこばの えんぬした(縁の下)」
とさかいきた[多]=鶏冠に来た(とさかにきた)=頭にきた=頭に血が上るほど逆上した
どしょうなか=真ん中
としょおり[変]=年寄(としより) ・「わけえくせに としょおりじみたこと言うんじゃあねえ」
どっか[多]=何処か ・「どっかの家に あるかもしんねえ」
とっかかる[強]=取り掛かる ・「仕事に とっかかる」
とっかん=ポップコーン ・豆が撥ねる時にする大きな音(トッカーン)の擬音語。・「とっかん豆」
とっく[多]=疾っく=すでに、以前に
とっけえる[変+強]=取り替える(とりかえる)
とっけっこ[変]=取替えっこ ・「仲好しだ 着てるもんを とっけっこ すべえ」
とっちげえる[変]=取り違える=話を誤解する
どっちみち[多]=何方道=いずれにしても
とっちめる[多]=取っちめる=こらしめる、やっつける
どっちもどっち[多]=何方もどっち=双方同じ程度
とっちらかす[強]=散らかす=乱雑にする
どっちらけ[変]=どっ白(しら)け=興ざめ
とっつかめる[変]=取り捕まえる(とりつかまえる) ・「コソドロを とっつかめた」
とっつき[多]=取っ付き=一番手前、最初 ・「まっつぐ行った とっつきの家」
とっつきにくい[多]=取付にくい=最初の印象が悪い
とっぱらう[変]=取り払う(とりはらう)
とっぴょうしもねえ[変]=突拍子(とっぴょうし)もない=とんでもない、予想をはるかに超えた
とてつもねえ[変]=途轍(とてつ)もない=道理に合わない、とんでもない ・「とてつもねえことを やってのけた」
どどめ[多]=甘ずっぱく赤熟した桑の実
とぶ[多]=跳ぶ、走る ・「あそこまで とんでけ」と言うと「飛んで行け」と勘違いする都会の人がいる。
とばっちり[多]=迸(とばしり)=そばにいて災いが降りかかること
とびっくら[多]=跳びっ競=徒競走、かけっこ ・「とびっくらに負けちゃあなんねえ」
とぼうぐち[変]=とぼ口(ぐち)=家の出入り口
とまっくち[変]=戸前口(とまえぐち)=玄関先
とむれえ[変]=弔(とむら)い=葬式
どやしつける[多]=強く叱る
とよ[多]=樋=樋(とい)の変化語 ・「とよに葉っぱが詰まって 雨が流れなくなった」
とりっくら[多]=取りっ競=奪い合うこと ・「兄弟が多いから おかずの とりっくらさ」
とりよい[略]=1月14日に行なわれる鳥追い(とりおい)祭の略称
とわい[変]=遠(とお)い
とんがらし[多]=唐辛子(とうがらし)
とんがらす[多]=尖らす=先をとがらす
どんづまり[多]=どん詰まり=終わり、一番奥
どんどんやき=冬の民俗行事1月14日の道祖神焼き「どんど焼き」とも言う。