あがつま語★辞書 注記

●あがつま語について

 私は昭和26年に群馬県吾妻郡中之条町西中之条に生まれました。以後、15歳から20歳までを群馬県前橋市で過ごしたほかは、中之条町に住んでいます。
 子供の頃に祖母に可愛がられたので、祖母から耳にした言葉などを思い出したり、育った環境の中で耳にした言葉を辞書としてまとめ、「あがつま語★実用会話講座」のコンテンツの一つとして掲載しています。

●「あがつま語」掲載範囲

 ここに掲載されている以外の「あがつま語」は数限りないほどあるのだと思います。ここの「あがつま語」は、私の耳に残っている言葉を原則的に掲載したものです。本来は「私のあがつま語」というタイトルがふさわしいかもしれません。
 言葉は、地域だけでなく、時間も重要な要素だと考えます。私が耳にした言葉と、あなたが耳にした言葉は、生まれ育った地域や時代が違えば、差異があって当然なのです。ですから、私が聞いたことがない言葉は、例えそれが吾妻の方言だとしても、私が育った環境や時代では使われていなかったということで、言葉の資料としては掲載しない方が適切な選択だと判断しました。多くの人が地域や時代を明確にして言葉を収集すれば、言葉の貴重な分布資料となることと思います。

●表示の説明

あがつま語[]=意味 ・「使用例など」
[]は、死語化している標準語、あるいは吾妻の人が好んでく使っている標準語
[]は、標準語が化した言葉
[]は、標準語の一部をして使っている言葉
[]は、標準語を調して使っている言葉
表示がないのは、方言や俗語、あるいは語源不明な言葉。

●この辞書での標準語の基準

 私が、日常使用している国語辞書にそのまま載っている言葉を原則的に標準語と分類しました。広範囲で使われている俗語も辞書に載っていますので、それらも、この辞書では標準語という括りに入れました。
 標準語であるかどうかの厳格な基準は、あがつま語ではあまり重要ではありませんが、言葉の語源や意味を探るには役立つと考え、表示に加えた次第です。

●収集者よりのお願い

 皆様の、耳に残る、あるいは現在も使っている「あがつま語」を、連絡いただけたら幸いです。
 あがつま語、その標準語での意味、使用例、あなたのお名前、生まれた年、育った町村名などを記載し、E-mail で 2007-koicha★kirara.ne.jp まで(★部分は@に置き換えて下さい)。ここに、掲載できるかどうかはお約束できませんが、何らかの形でまとめて見たいと思っています。

●「あちゃ がら もうぞう べえ がんす とろびゅう つっきゃあ そうだむし」について

 この「あがつま語」に対して、多くの方からご意見ご感想や参考となるお話をお寄せいただいています。その中で、「あちゃ がら もうぞう べえ がんす とろびゅう つっきゃあ そうだむし」という代表的な方言の「あちゃ(それでは) とろびゅう(度々)」が載っていないというご指摘が少なくありません。残念ながら、私自身の記憶に無いものですから、前述の通り、掲載範囲の考え方の外になってしまい、あえてこの「あがつま語」には掲載していません。 いずれ、別記追加したいと考えています。

●印刷版「あがつま語★辞書」騒動記

 「インターネットを見られない人も多いので、あがつま語の辞書を印刷したらどうだい」という知り合いの印刷屋さんの勧めもあって、2003年3月下旬に、この「あがつま語★実用会話講座」から辞書部分だけを「あがつま語★辞書」という形の小冊子にしました。
 この小冊子「あがつま語★辞書」は無料配布なので印刷費が回収できない仕組みでしたが、入手希望者が居る限りは発行を続けていきたいと思い、結局7000部を印刷発行しました。想像をはるかに超えた反響に驚き感謝する次第です。

 吾妻郡にお住まいの方、郡外へ転出された方、多くの方からご感想をお寄せいただいています。発行者として大変感謝しています。単なるノスタルジアではなく、誰もが貧乏でしたが心が豊かだった時代に、あがつま語を通して思いを寄せているのだと感じます。方言だけでなく、幅広く言葉を収集し「あがつま語」と命名した意図が報われたと喜んでいます。

 現在は、辞書サイトの Weblio の登録辞書にもなっていますので、多くの方に「あがつま語★辞書」を利用いただいています。